こんにちは、なかむです (❐_❐✧)
今日は、前回のこちらの記事でも参照した本の書評です。
・間食をコントロールするワザ、「置き替え」!
著者のコーネル大学教授、ブライアン・ワンシンクさんは
食行動・食心理学についての著名な研究者で、
レストランを模した実験施設や様々な研究機関で論文を発表しています。
本書の英題は「Mindless Eating」で、
間食などを無意識に(Mindless)食べてしまうことがどれだけ肥満に繋がってしまうかを
科学的に示し、最も良い痩せ方を心理学的に説明しています。
世の多くのダイエット本がその「方法」ばかりに焦点を当てていて、
(○○だけ食べなさい、△△エクササイズチャレンジ!など)
結局それを続けられるのは本人の我慢や忍耐力に任せられています。
確かにこういった方法で短期間では痩せることができますが、
私たちが求めているのは、「理想の体型になって、それをずっと維持すること」のはずです。
それを踏まえて、「なぜ人は食べ過ぎてしまうのか」ということを
食心理学の観点から科学的に説明し、その対応方法を示したのが本書です。
ワンシンクさんが本書で言いたいことをざっくりまとめると、以下の通りです。
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1、人が食べ物を欲するのは空腹時だけではないよ!その人がおかれる環境や状況がきっかけになって食べてしまうよ!(隠れた説得者)
2、そういう環境や状況(=罠)を避けるには、まずどんな罠かを理解すること。いろんな実験結果を紹介するよ!
3、一番いい痩せ方は体や脳が気づかないくらいの小さな改善(一日100〜200kcal程度摂取カロリーを減らす)だよ!そうでないと、約95%のダイエットは失敗するよ!
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詳しく説明しますね^^
まず人が食べ過ぎてしまう原因は、その人の食欲が強いからではなく、
環境や状況が食へと誘惑するからである、としています。
本書ではその特定の環境や状況のことを「隠れた説得者」と呼んでいます。
(ちょっとわかりにくい表現ですね(^_^;))
要は食べ物の欲求へといざなう罠がそこら中にある、ってことですね。
英題の「Mindless Eating」は「無意識に食べてしまうこと」という意味で、
この状態にある人はみな「パブロフの犬」状態とも言えます。
パブロフの犬、、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
心理学で言う「条件反射」を説明するための実験で、
ベルが鳴る→餌が与えられる→それを食べる
ということを繰り返した犬は次第にベルが鳴るだけで唾液が分泌されるようになることです。
食べ物が出てくることを期待しちゃう体になっちゃうんですね。
この犬を「妙な習慣を植え付けられて可哀想だなあ、、」と思うでしょ?
実は「Mindless Eating」の状態にある人はこのパブロフの犬と一緒なんです。
テーブルの上にチョコレートの瓶詰めが置いてあれば、
高い確率でそのチョコを食べてしまう。
たくさん食べる人と大人数で一緒に食事に行けば、
1人で食べるより2倍近く多く食べてしまう。
この「〜〜すれば、食べてしまう」。
こういう条件反射が脳に刷り込まれている、ということです。
お腹が減っているわけでもないのに何かを食べたり、食べ過ぎてしまうのは、
このような何かのきっかけ(=隠れた説得者)がトリガーになっていて、
食への誘惑に駆り立てられるからです。
このような罠を避ける方法は、まず罠がどんなところに仕掛けられていて、
その仕組みを知ることが大切です。
ワンシンクさんは人が食べ物の誘惑という罠にかかってしまう状況を
様々なユニーク(かつ意地悪)な実験で説明しています笑
ここからはそのいくつかの実験から、その罠について解説しますね^^
実験1 不味いものでも頂き物とビッグサイズには要注意!
映画館で、しけて美味しくないポップコーンをMサイズ群とLサイズ群に分けて提供した実験
→ほとんどの人がポップコーンを食べたが、Lサイズを渡された人の方がMサイズの人より53%多く食べた
この実験からは、人は提供されたものはどんなものでも食べてしまうということと、
サイズが大きければその分多く食べてしまうということです。
実験のためとはいえ、しけたポップコーンを人に渡すのは気がひける。。笑
実験2 胃袋にチキンウィングの数は数えられられない!
チキンウィング(手羽先)の食後に残った骨をそのままにしたテーブルと、随時片付けたテーブルに分けた実験
→骨を随時片付けたテーブルの方がチキンウィングを多く食べた
この実験からは、目の前に食べた「証拠」を残すと食べ過ぎを抑えられる、ということを示しています。
僕が「テーブルに食後感を残しましょう」とたまに言っていることですね。
お菓子も個包装のものにして、食べた袋をしばらく置いておくと、次に手が伸びにくいです。
この実験、骨をあえてその場に残すのも気がひける。。笑
ワンシンク博士、ここで「胃袋に数は数えられない」という名言を残します笑笑
実験3 シー(see)フードの甘い誘惑!
瓶詰めのキスチョコレートを仕事場のデスクの上においておく実験
→チョコレートがデスクの上においてある人のほうが、引き出しの中にしまってある人より多く食べてしまう
これはシーフード(see food=見える食べ物)はその人に「それを食べるかどうか」という判断の機会を増やしてしまうため、
その分食べてしまうということを示しています。
食べ物は普段見えないところにしまっておきましょう!
しかしなぜキスチョコレートだったのか笑
実験4 見知らぬ人がクッキーを貪り始める恐怖!
お茶会で初対面の人がクッキーをたくさん食べる実験
→知らない人であっても、その場にいる人の食べるペースに合わせて、自分もクッキーを食べてしまう
これもドッキリみたいな実験ですよね笑
お茶会に呼ばれたら、知らない人がいて、その人が出されたクッキーをたくさん食べている。
無意識のうちに自分も同じペースで食べてしまう、ということで、
Mindless Eatingをする人と食事に行ってしまうと、食べ過ぎのリスクがあります。。
1人より大勢で食べるほうが多く食べてしまう、という実験もあるので、
大人数で食事をとるときは要注意ですね。。
実験5 赤いプリングルスが食べ過ぎを踏みとどまらせる!
7枚目ごとに赤く着色したチップスが入っているプリングルスと、そうでない普通のプリングルスを使っての実験
→映画を見ているあいだ、普通のプリングルスを渡された人は平均23枚食べたのに対し、
赤いチップスが入っている人は平均10枚しか食べなかった。
これは「小休止ポイント」とか「踏みとどまりポイント」がある食べ物の方が
食べ過ぎを抑えられる、という実験結果です。
日本でよくある個包装のお菓子も、資源の無駄づかい!なんて揶揄されがちですが、
いい踏みとどまりポイントみたいです。
確かにプリングルスで赤いチップスが出てきたらびっくりして踏みとどまるなあ笑
以上5つを紹介しましたが、ほかにも
・有名飲食店であえて速いテンポのBGMをかけて、客の回転率をあげる
・米軍兵士たちに暗闇でヨーグルトを食べさせるが、実際に渡したヨーグルトの味とは違う味のヨーグルトだと伝える
・無料のブラウニーを配布をして、盛り付けた皿の種類だけを変えて、値段を当てさせる
・悲しい映画と楽しい映画を見せて、どちらがポップコーンを食べるかを観察する
・以前このブログでも紹介した底なしスープボウルの実験もワンシンク博士です笑
どれもこれも、実験中ニヤニヤしているワンシンク博士の顔が想像できます笑
こちらのサイトに博士の写真が色々あったので貼っておきますね笑
さて、実験自体はユニークで意地悪ですが、どれも「無意識に食べてしまうこと」
「環境が過食を誘発すること」をわかりやすく証明したものばかりです。
こんな風に、私たちは食べ過ぎてしまうのです。
まさに「Mindless Eating」ですね。
この記事を読んでいる読者の方だけのことではなく、
誰でも環境の罠にはなかなか抗えられません。
で、ワンシンク博士の提唱するダイエットは、
「Mindfull Eating」とでも言えばいいか、
環境の罠について理解し、それを回避しつつ、
自分の食事を認識し(=Mindfull)、いまの食生活を少しずつ改善する方法です。
急激にカロリーを抑えるダイエットや「○○だけを食べるダイエット」は
「脳」と「体」が抵抗します。
「脳」は大きな変化を察知すると、それをやめさせようと抵抗します。
また、「体」の方は、急な摂取カロリー減少に対して、飢餓状態だと誤認してしまって、
ダイエットに大切な消費カロリーを抑えようとしてしまいます。
しかし、どちらの機能も、私たちが生きて行く上で重要なバランス機能なんです。
ですから、「脳」にも「体」にも気づかないような微量な変化を、
少しずつ習慣化して行くことで、次第に脂肪を落としていくことが可能になる、
とワンシンク博士は言っています。リバウンドもありません。
これはまさに以前に紹介したスティーブン・ガイズ氏の「小さな習慣」の話ですね!!
脳の大脳基底核に気づかれないように、少しずつ、少しずつ、
運動や新しい食習慣を脳に刷り込んでいく、という方法です。
現在の食心理学や習慣の科学を調べている研究者の
ダイエットの結論は、やはり、「少しずつ良い習慣をつくる」
ことのようです。ここでつながるんですね!!
ですので、毎日食べているロールパンを2つから1つに変えたり、
ご飯の茶碗を一回り小さくして少し量を減らしたりして、
100〜200kcal程度の摂取カロリーの減少から始めてみましょう!
ささいなことならきっと続けられると思います!
大切なのは、「ささいなこと」がもたらすメリットを知ることです^^
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人類史上最も異常な環境を、「正しい知識」と「習慣化の技術」で乗り越える
世の中には様々なダイエットやトレーニング理論が溢れています。
どれが「正しい情報」なのか、判断することはとても難しいです。
また、ダイエットやトレーニングは継続しなければ効果は出ません。
しかし、それらの方法論は数多あれど、肝心の「継続するための方法論」というのは、とても少ないのが現状です。
みなさん、正しいかどうかもわからないことを、継続するのは、相当難しいことだと思いませんか?
その情報を心から信じることができないのに、毎日それに取り組むというのは現実的ではないと僕は考えています。
僕が提供したいのは、科学的に裏付けのある「正しい知識」と、
それを継続するための「習慣化の技術」です。
常に僕自身も学び続け、自分に応用し、うまくいったことだけを伝えたい。
それによって、みなさんの生活が改善されていくことが僕の願いです。
の公式アカウントとブログで随時発信していますので、よければ登録をお願いします^^
また、本格的にダイエットやボディメイク、生活習慣を改善したいという方は、
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※この記事を掲載している時点で、4月スタートの受け付けを終了しました。5月スタートの方で1~2名募集しています。
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